生物の進化から考える~体幹の機能~
こんにちは。桑原です。
最近、「生物の進化」について調べています。これはなぜかというと、以前に「動作とは?」という問いを立てて考えていたのですが、その中で「どうして動きが生まれたのか?」という疑問が出てきて、生物の進化を勉強し始めました。
これを調べていくと面白いです。
今日は、体幹の機能について。
原子的な魚は、体幹を主導で動かしていました。
そして、ヒレが発達して体幹の機能というのに変化が出てきました。
ヤツメウナギよりも脊柱は動いていないです。
新潟の錦鯉のいる日本庭園 Nishikigoi and Japanease garden in Niigata
次に、陸に上がってくると体幹主導だとエネルギー効率が悪いので、手足を動かす必要が出てきました。そして、重力がかかることで軟骨だと支えられないので今の骨格の形成が必要になってくるんですね。
鴨川にオオサンショウウオ2(Giant salamander in Kamo River, Kyoto Japan)
つまり、移動の主役から基盤へと変化していったのですね。
ヒトの身体で考えると、体幹は移動の主役になり基盤にもなれるように動きを作るというのは大切なことなのかもしれません。
これだけでも、運動療法に応用はできそうですね。
それでは。
桑原
腰痛って治るんですか?
こんにちは。桑原です。
先日、腰痛で通っていた方がリハビリをひとまず終わりにして自宅でのセルフエクササイズのみで様子をみることになりました。
非常に積極的にリハビリに協力的で前向きにリハビリに参加してくれました。リハビリの効果も2回目以降から著名に出て痛みも格段に減りました。
こうやって、自宅でのセルフエクササイズを実践してもらって様子をみてそれでも少し痛みが悪化などしたら再度受診してもらうというのが理想的なのかなと思っています。
最後の治療中に、この患者さんが「最初、腰痛は治らないと思っていました。こんなに良くなるんですね。」とすごい驚いていました。なんか世間では腰痛は治らないとか、治療法はこんなのがいいとか様々な情報があふれています。確かに原因は様々で何が正解で間違っているとかが言えないのは事実です。
しかし、腰痛というのは「治る」ものです。人間には、自然治癒力が備わっているのですから。痛みがなかなか引かないのであれば近くの病院の専門医に診てもらう方がいいでしょう。そして、リハビリなど専門的に身体をみてもらう価値はあるのではないのかなと思っております。
患者さんとの会話で、「友達も腰痛で困ってるみたいでした。」ということもおっしゃっていました。
やはり多くの人が腰痛で困っているんですね。そんな困っている人たちに価値を届けられるように研鑽していきたいですね。
桑原
膝の痛みは筋力のせい?
こんにちは。桑原です。
膝OAの患者さんを治療している時にこんな会話がありました。
「膝が痛いのは、筋力が弱いからだと思うのよ。」
膝の痛みで来院される方が多いので、よくこんな話をしてくれます。
この患者さんは、3回目の介入でした。
僕は、評価していったときに膝自体の問題はそれほどないのかと感じていたので初回は膝そのものの治療もしましたが、2回目以降は膝周囲の筋力強化などはほとんどしていません。たしかに筋力は弱いんですけど「痛み」の原因は他の要素の方が強いのかなと思います。脊柱の介入や呼吸の介入で痛みと歩行の改善は多いにみられています。
そんな経緯を患者さんと確認していくと、
「たしかにそんなに膝の筋トレしなくても痛みは減ってるわね・・」
と気づいたようでした。
脊柱と呼吸のセルフエクササイズにもやる気を示した様子でした。
とりあえず、一安心です。
膝OAの患者さんの中でも大きく変形してない人は多い。だからこそ、機能的な評価は大事だしアプローチがしっかりすれば痛みは大きく改善する。
— 桑原亮 (@ryosan4435) 2016年9月30日
膝OAに対して膝周囲の筋力強化も大切ですが、他の視点で見ると「痛み」は取ることができるんだなと再確認しました。
【本当⁈】天気が悪いと痛みは強い?
こんにちは。桑原です。
最近、台風やらで天気は悪い日々が続いております。
そんな日々が続いていると、
「雨だと痛みが強いのよ。」
こんなことを言う患者さんと遭遇します。
痛みだけでなく、「天気が悪いと、なんとなく調子が悪い。」という人も少なからずいるのではないでしょうか?
例えば、天気が悪いと「古傷が痛む」という人もいますね。
それはなぜか?
気圧が下がると、内耳がそれを感知して視床下部を通じて交感神経活動が亢進します。
そうすると、ノルアドレナリンが血中に放出され、痛みを感じる神経などを刺激します。
普通の状態では、気圧が下がっても痛みを感じることはほとんどありません。しかし、炎症など抱えている人は、侵害受容器など正常認められない交感神経に反応する受容体が新たに出現するため、気圧の変化でも痛みを感じるようになります。
しかし、「天気と痛み」の関係は所説あるので、必ずしも全員に当てはまる訳ではありません。
個人差は多いです。あくまで参考までに。
桑原
【慢性痛ってなんだ?】急性痛と慢性痛の違い。
前回の記事に
急性痛のうちに早く対処しましょう。というお話がありました。じゃあそもそも「急性痛と慢性痛の違いは?」という疑問がわいてきます。今日は、その違いについてお話しします。その前に「痛みとは何か?」ということを説明します。
・痛みの定義
1986年に国際疼痛学会では、
「不快な感覚性、情動性の体験であり、それには組織損傷に伴うもの、または伴っている可能性のあるものと、そのような損傷があるような言葉で表現されるものがある。」
という風に定義されています。
この文章を見ても「痛み」というのは複雑なものなんだなと思います。
前回、「痛み」というのは警告信号であるという説明をしました。痛みは伝達と不快な情動を通じて警告信号としても役割を果たします。
・急性痛と慢性痛
痛みを時間的な尺度で考えてみます。同じ痛みでも昨日ケガしたときの痛みと、5年前からある痛みでは痛みの意味が全く違います。
一般的な解釈として
「急性痛」 例:昨日ケガしたときの痛み。
「慢性痛」 例:5年前からある痛み。
しかし、単に痛みの期間が長い・短いという時間的な要素だけでは、急性痛と慢性痛をはっきりと区別できません。
急性痛とは痛みが起こってから比較的早期の痛みを指し、慢性痛は3~6カ月の期間を過ぎても治らない痛みを指します。しかしながら、3~6カ月経過していなくても、痛みの原因が治ったにも関わらす痛みが続くような場合は慢性痛と呼びます。つまり「どのくらい痛かったのか?」という情報は、急性痛と慢性痛を決める一つの参考になってもそれだけで決めることはできません。
・慢性痛の定義
慢性痛とは、「急性疾患の通常の時間経過、あるいは外傷が治るのに必要と思われる期間を1カ月以上超えても持続する疼痛」とされてそのほかに「痛みの原因が治ったと思われるのにも関わらす続く痛み」、あるいは「原因そのものが治らず持続している痛み」も含まれます。
つまり、通常では痛みが治っててもよいだろうと思われる期間を過ぎても痛みが続いているもの、また痛みの原因が治まるのが難しいと思われるもの、さらに痛みの原因がないのにも関わらす痛いというものを慢性痛と読んでいます。
このように、慢性痛と一言では、語れないのですね~。
参考文献:よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ
慢性痛を理解していくために
誰しもがケガしたり、痛みを感じたことがあるはずです。擦り傷などのすぐよなるような痛みもあればスポーツなどやっている人の中にはなかなか治らない痛みもあったのではないでしょうか?
そんな時「なぜ痛いのだろうか?」そんな単純な疑問を抱いたかもしれません。ケガをして組織(筋・靭帯・皮膚など)が壊れると必ず痛みが起こります。しかし、同じケガをしてもその人が置かれている状況によって痛みの感じ方や大きさ、さらにその経過が違っていきます。
こんな風に単純に「痛み」をとってみても、その発生機序や経路は様々で一言で説明するには難しいです。ここでは、「痛み」について掘り下げていきながら説明できればなと思っております。
痛みについて調べると色んな要因が絡んできますね。実習の時に母校の大先輩が「痛みは深いよ。だってそれだけで本が何冊もあるんだから。」という言葉が思い出される。
— 桑原亮 (@ryosan4435) 2016年9月27日
・痛みは人に必要なのか?
誰にとっても「痛み」というのは不快なものですよね。「痛み」というのは、必要なものなのでしょうか?改めて考えてみようと思います。
誰でも一度は、ドアに挟まんだり、何かにぶつかったりして「痛い」と感じた経験はあると思います。「痛み」というのは不快なものです。「痛みなんてなければいいのに。」と思う人もいるでしょう。では、痛みは不必要なものなのでしょうか。
本来、痛みは警告装置としての役割があります。そのため、人は危険にさらされた時や痛みがあるからこそ危険を察知して、危険から逃れることが出来ます。例えば、画鋲が床に落ちていて歩いている時に間違って足で踏んでしまったとしましょう。この時に「痛い」と感じたら膝を曲げてその画鋲から足を反射的に離します(逃避反射という)。このように「痛み」は危険を僕たちに教えてくれるのです。
もし、「痛み」がなかったらケガをしても気が付かないのでケガしている部分が壊死してしまい致命的な障害を起こしてしまうかもしれません。この意味で「痛み」は身体を守るために大切なシステムなのです。
ただし、警告信号としての役割があるのは急性痛だけです。慢性痛には警告信号としての役割はありません。痛みは、警告信号ですが、むやみに長く存在する必要がありません。「痛みが出現したら原因を見つけて回避する。警告信号としての役割が終われば痛みをなくす」これが痛み治療のポイントとなるでしょう。
「急性痛」と「慢性痛」ってどう違うの?という疑問が持たれたと思います。
その違いについては次回。
桑原
慢性痛と対峙してみて・・・
こんにちは。桑原です。
僕は整形外科クリニックで理学療法士として働いていますが、そこで対応する人たちは、腰痛・膝痛・肩痛など「痛み」を持つ人がほとんどです。最初のころは頑張って勉強して「多くの人を治そう」と意気込んだわけです。「痛み」を改善させる治療法というのはこの世の中に一杯あります。じゃあ多くの痛みの治療法を学べば人は治っていくのでしょうか?そんな単純な問題ではないです。よく考えれば「人」に対して働きかけるのですから単純なわけがないのです。そんなことを気づきながら、色々日々研鑽しております。関わっているとわかるのですが、人が「痛み」をこじらしている印象があります。そんなこじらした痛みと対峙するのは、一筋縄ではいかないです。それが最近色々と気づきを得まして対応できるようになってきたのかと思っております。
まぁそんなこんなで慢性痛について思うことをここでも書いていければいいかなと思っております。
桑原